就活を始めたばかりの方と、就活を終えた方の話し方には歴然とした違いがあります。
はじめは何を言っているのかわからなかった方の話が聞いていてわかるようになる。
そして、面白くなってる。
いったい何が起こっているのか。
社会評論家、岡田斗司夫氏の『頭の回転が早い人の話し方』に非常に興味深いことが書かれていたので紹介します。
本書は、岡田氏が提唱する「最強の会話術」、「ユニバーサル・トーク」を身に着けるための著書です。この本を読めば、「誰にでも通じる話し方・伝え方」が身に着きます。
本書を読んだら、ほかの話し方本は副読本にしかならない
ここまでおっしゃっているとおりすごく自信を感じる内容でした。
以下から突然話がはじまりますが、私が疑問に思った、「就活生の話が伝わるようになる過程では一体なにが起こっているのか」を考えるヒントになるものを抜粋してお伝えします。
家族型社交と公共型社交の関係
岡田氏は、話が伝わるときとそうでないときが生まれる原因には、話し手が伝えることが上手いか下手かのほかに以下のように相反するコミュニケーションのベクトルがあるからだとします。
公共型社交:不特定多数に向けたもの
家族型社交:価値観を共有した特定少数にむけたもの
この違いが「仲間内では話せるのに、不特定多数には話せない、伝わらない」を生み出していると説き、互いの意志の疎通がしにくくなっている要因はここにあると言います。
公共型社交の一例として、目上の人や尊敬する人、ビジネス上の相手には敬語を用います。
岡田氏いわく、学生は値踏みして話を聞かなかったり聞いたりするくせに、「君の考えを話してみてよ」というと話すはいいけども、なにをいっているのかわからないそう。
何が言いたいのか、僕にどんな意見を求めているのかわからない。
けども、岡田氏は学校という空間で値踏みする生徒に話を聞いてもらうために、彼らの価値観で話していたそう。自分を信頼してくれはじめたときに教育者の顔に徐々に変えていけばOKだというのです。タメ語で話しかけられたらうれしそうにタメ語で返していたとのこと。それが学生の家族型社交だというのです。家族型社交は千差万別。
「価値観を共有していない者同士が接すると、どちらかがどちらかに迎合しない限り、コミュニケーションは困難を極める」という一節が印象に残りました。
公共型社交は視野が広く、家族型社交は視野が狭い
社会に出る前は、お互いのキャラクターがわかり合っている世界で生きてきましたが、この自分のことをみんなが知っている世界にいれば伝える力が未熟でも、相手は「言いたいことはこういうことかな?」とたいがいのことは通じます。これは居心地がいいですよね。
家族型社交で育ったまま突然、公共型社交で生きている人たちの中に放り込まれたら、会話が通じるわけがない。就職活動をはじめたばかりの方の話が何を言っているのかよくわからないのは当たり前といえます。
大学に3年通ったところで自然に公共型社交の力が身についているはずはありませんよね。色んなバックグラウンドを持つといえど同年代ですし、学校もアルバイト先も自分の立場が保証された状態での会話です。
たかぎ的考察
学校の中であっても普段からどうしたら家族型社交から公共型社交への移行トレーニングができるかというと、まず、自分が大学にとってお客さんだということを理解し、自分がこれまでお客様として扱われてきたことを自覚するのが公共型社交への第一歩かなと思いました。
次に、自ら主体的に授業に参加し、相手の理解力に依存せずに主張を展開するように気を付けていれば、先生からも好かれますし、公共型社交も鍛えられます。
学生は大学からしたらお客様なので、ストレスなく会話してくれるのは当たり前なんですよね。こういうことを言おうとしているんだろうなとか、補ってくれますし。ですがこの居心地の良さに甘えてはいけません。
就活は本質的に自分を相手に価値化する必要がありますが、こんなことなかなか経験してこなかったですよね。
特別な経験がない限りは自分の話した内容で合否が決まるなんてせいぜいアルバイトの面接くらいかなと。それも倍率は数十倍~数百倍なんてことは経験したこともないはず。
自分を価値化する感覚がないのは当たり前ですよね。
社会では自分から評価されにいく力が求められます。
就活の選考は、その訓練だと思って取り組んでみてください。
いっしょにがんばっていきましょう。
今日紹介した『あたまの回転が早い人の話し方』はKindle unlimitedで読み放題です。
ぜひ読んでみてください!