いまや就活の一部となったサマーインターン。
選考の難易度も年を増すごとに高まっており、この夏も志望者同士の激戦が行われています。
会社を見る絶好の機会なのでインターンに参加して時間が許す限り多くの企業を見て欲しいと思いますが、インターンは本選考と違い、1社に絞る必要がないため、いくつもの人気インターンに参加できる方とそうでない方にわかれてしまう現実があります。
選考を突破するためには良質な情報を得ることが欠かせません。
就活を始めたばかりの方が多い夏は、情報量ではさほど変わりないと思います。もちろん時間が経つに連れ、本選考に向けて情報のネットワークを構築していける志望者は情報の量でも差をつけます。
まだ情報の量での差が開いていない夏の時点での差は、情報の扱い方の差、だと感じています。
行間を読むという言葉があるとおり、勘が良い方はインターンの募集要項を分析しESの設問に的確に回答していきます。
インターンの募集要項はあっさり書かれていると思われがちですが、情報がたくさん詰まっているので読み込んでES設問への回答を練っていく必要があります。同じ情報が与えられているのにもかかわらず、感度が良く、通過率が高いESを書ける方とそうでない方がいます。
言わずもがな、募集要項だけでは書けないので各々が企業研究をしていく必要があるわけですが、今している企業研究につけ足して欲しいのが企業がだしている中長期経営を参照することです。この情報は公にしている情報なので数値に間違いがありません。そして、ステークホルダーに向けた企業からのメッセージが詰まっています。
簡単な内容ではないですが、伸ばしたい事業や、採用に関わることくらいは無勉強でも読み取れるので、ゼミの参加者と参照しました。「動画コンテンツによる課題解決を行える営業を育成し増やしていく」なんていうわかりやすい採用戦略を載せている企業もありました。
企業には常に経営課題があり、その課題を解決するために採用が行われます。
企業戦略から伸ばしたい領域を知り、さらには新卒で採りたい志望者像を探っていきます。
募集要項に「求める人物像」を記してくれる企業もありますが、そうでないところはどんな人物を採用したいと思っているかを探り、ESの設問に回答しなくてはなりません。
入社を決めるものではないので、企業側も広報活動や社内研修の一環で行っていることもあります。
ユニークで人気のインターンは密度が濃い分、受け入れる学生の数が絞られ結果的に倍率が高くなり、書類だけでなく面接も組まれます。面接が組まれるその他の理由には、企業が本気で良い学生と早期から繋がりたいと思っており、より双方が理解したうえでインターンを行いたいという狙いもあります。毎年特徴が異なる学生を早期に理解し、本選考でもそれに沿って採用活動を行いたいという意図もあるようです。
このような企業側の意図を汲み取り、志望者はインターンで何を学びたいのかを明らかにし、書類と面接で伝える必要があります。
一方で、「インターンが流行っているからうちでもやってみよう」くらいのノリでインターンを行う企業もあり、募集要項は本当に簡素なものです。簡素どころか中身がなく、なかには、インターンで何をするか明記しない企業の設問に「このインターンで学びたいことはなんですか」とあり、このときばかりは首をかしげました。
なにをするかわからないインターンで何を学びたいのかを記せなんて到底無理ですよね。
この場合は、インターンというよりもその会社を志望するつもりで、会社を知る機会があれば何を知りたいかを記した方が採用側としても招きやすいです。
私が現役の時はちょうどインターンが流行り始めたときで100字の志望動機だけでとある広告代理店にインターンに行けました。中には選考不要のものもあり、会社を見たいという気持ちだけで何社も見ることができました。今は数も多いのに選考が本格的で、変わったなあと思います。これだけ多いとインターンの段階からやりたいことが絞れないこともあるかと思いますが、インターンはウィンドウショッピングのように気軽にエントリーして良いのです。そのために1日ぽっきりのもあるくらいなので。
サマーインターンにエントリーすることで、今のうちから選考を体験でき、本番までの間着実に地力を高めることができます。
失敗を最大限に活かすには時間が必要で、自分の中に眠らせておくと発酵し熟成され、ある日自分のものになり自信の源になります。
インターンはいくら失敗しても良いんです。
失敗を繰り返した分、納得の行く結果が得られると信じています。
3年の冬になると、慌てて就活を始め、ポテンシャルが開化されないまま選考に臨む方をもう見たくありません。本選考までの就活力を上げ損ねただけで、採れる内定をとりこぼしていく先輩をたくさん見てきました。母校でも早期就活を根付かせたいと思っています。
就活は就活力がある人が内定を取ります。
どんなに優秀な方でも生身のまま臨むと選考で落とされます。対策が必須なんです。
企業は、入社して活躍するかをこれまでのあなたの行いからポテンシャルを推し量り、合否を決めます。それを伝えるための就活力です。
ですが、就活だけしていて話すことが薄くなってしまては本末転倒です。
目の前に熱中できることがある方はそれに向かってください。
必ずアピールできることになります。もちろん要領が良い方はコツコツと学チカ、自己PR、SPI対策を進めてください。就活中も好きなことを両立できるでしょう。
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