精読している岡田斗司夫氏の『僕たちは就職しなくていいのかもしれない』
最後のまとめ日記です。
第一章 もう就職できないかもしれない
新人を雇ったらかえってめんどう
冒頭で衝撃的な一文が、
「新人を雇う理由が企業になくなってしまった」
利益を出すための効率を重視すると経営者は仕事の分解を始める、とのこと。
分解して、外注できるものは外注、コストが下げられるものは下げ尽くす、採算が合わないものは止める。
このような合理的な判断の結果、残る仕事はどんなものか?
分解しにくくて人に説明するのが難しい仕事
言い換えれば、その会社特有の理由でなぜかを説明できない面倒な仕事。
「なぜこの会社に発注するのか?」「この会社は総務部長の親戚だからね」
みたいな非合理にしか説明できない仕事だったり、
「〇〇さんの承認が得られないといけない」などのルールが複雑で外注に出せない仕事ばかりが残る。
これらの理由から今いる会社の人間で、やっていこうと考えても不思議ではない。
複雑なルールや特有の慣習を新人に教えるには、そこに手間がかかってしまいます。
うまみがあって面白くて、儲かった仕事は、コスト競争が行われると外注される。
面倒な仕事が残る。これらはその会社のことを知っているという理由でできる仕事。
やり方に慣れていて、自分の会社の流儀をわきまえていて、暗黙の了解となっている事柄を身に着けている社員がやる。
めんどくさい仕事ばかりだから忙しい、かといって新人が入れば、かえって面倒くさい。ここにも企業が新人を雇わない理由がある。
単純な仕事や簡単に儲かるものを外注した結果、残っているものは複雑でややこしくて、あまり儲からないものばかり。
業種や規模にもよるので一概にはいえないと思いますが。
単純な仕事ではないと聞くと、職能が必要なものなのかと思うかもしれませんが、そうではなくて単に煩わしいだけ。
自分がその仕事ができるのは、職能があるからなのか、それとも会社に長くいるからなのかの見極めができるようになりたい。
就職の終わり
「就活」がしんどい理由は、以前のように会社が人を雇わないからだとわかった。
会社が人を雇わない理由はこの三つ。
①企業の平均寿命が五年を切り、これからずっと安泰な会社が存在しない(公務員も安心ではない)。つまり、「半年先の未来がだれにも予測不可能」だから。
②新人を雇って仕事を教える余裕がない。面倒な仕事しかもう残っていない。いま固定給を払っている人たちでやりくりするので精一杯だから。
③怖くて人が増やせない。新しいアイデアが出てくるたびに一つの産業が潰れたり、もしくは会社の売上が半減したりするから。
会社が社員を増やせるのは「今年と同じくらいの売上が来年もある」と信じられるから。新人を雇っても2~3年は役に立ちません。2~3年後の投資として新人を入れるわけですが、今年と同じ売り上げがあるかわからない現状。
厳しい言葉が続きます。
これから先、「ふつうに大学を出たら、ふつうに就職できる」なんて夢にも思ってはいけない。1950年代から50年以上続いた「会社に就職するのが当たり前」の時代は、終わりを迎えつつあります。就活・転活に絶望する前に、まずはこの事実を覚えておきましょう。
第一章では
『就職しなくていいのかもしれない』という自論が展開されていきます。
子育てについての言及を紹介させてください
他の章で、子育てについても言及があったので以下に紹介させてください。
時代が変化するときに困るのが子育てです。
成長した子どもが生きるのは、現在とは違う社会、自分が与えられた環境や方法と同じ子育てでいいはずがない。
わが子にやりたいように、やりたいことをやらせる、才能を伸ばしたいと親は思う。
これまでは
①最初に、広くいろんな可能性を試させてあげたい
②次に、そのなかから、ほんとうにやりたいものを「1個」見つけさせてあげたい
③最後に、何でもいいので安心させて欲しい
なぜ最後に「安心させてほしい」になるかというと、広範囲にいろんなことを試したあろにたった一つに絞るのにとてつもない意思決定コストがかかるから
選択肢が多いことを幸せだと考えるので、子どもをいい大学に行かせようとします。なぜいい大学に行かせようとするのか、「何がやりたいのかよくわからない」という子供たちの可能性を広げてあげるため、、、それが親の役割だと思っているからです。
その結果、子供たちの意思決定コストが跳ね上がって、何がしたいのかいつまでも決めれれなくなっている。
親の愛情に応えたいだとか、何でもできるようになりたいだとか、安心して幸せな人生を送りたいだとか、選択肢があり考えていくほどに意思決定コストが跳ね上がります。
自論が混じりますが、新卒という無限の可能性があるなかでの意思決定は、無限のお金を持っているがひとつしか物が買えない状態に似ています。何を買おうか考えているだけで一日が終わるのです。
買えただけで幸せではなく、どれを買おうか、できれば安く買いたい、どのように買ったら恥ずかしくないか、など自由が増えるだけ意思決定コストがかかります。
世の中にどんな仕事があるのか知って、新しい仕事がどんどん生まれていき、その仕事が細分化されて、どこに行けば自分の才能が発揮できるのか、自分に合っているのか、、、と考えているうちに、どこに行ったらいいのかわからなくなってしまう。
可能性だけ残して、意思決定コストで追い詰められないためにはどう育てたらいいのか。放っておいても「お手伝いを見つけられる子供」に育てるのがいいと語っています。一から説明しなくても、何をして欲しいかがわかる、親の生き方や行動を見ていて、必要なときにすぐ上手に手を貸してくれる子供。
手を貸してくれるのが最初は煩わしくても自分でやってはいけない。
大学を卒業したての人しかいらないよ、行き先が絞られて行きます。
乗り遅れた人は就職しにくくなる。
他にも、「評価はその日のうちに流動させる」「いい人戦略」などなど、興味深い岡田氏の持論が詰まった一冊でした。
たかぎ的感想
就活で苦しむのは社会問題なんだ。ひとりで考えていてもしょうがない!!
一体どうしてこうなった??
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