週末の鼓舞ログ。今日はこちらの本で自分を鼓舞しました。
「誰かと競いたくない」と思いつつも、本当にそれで良いのか?と思う時があれば読んで欲しいです。
ライバルが人生を豊かにする。
著者の金間氏は金沢大学融合学域で社会学を講義されている学者の方です。金沢大学には文系と理系が横断的に融合した領域を学べる面白い学部があるのですね。
本書はその金間氏が多くの学術的な先行研究、1,000人を超えるアンケート調査、31人へのインタビュー調査をもってして、ライバルの存在が人生に与える影響の客観的・多面的に示している本になります。
単なる勝ち負け、優劣といった解釈に囚われる事なく、ライバルが人生に与える影響を、深く、多面的に明らかにした本になります。
「負けたくない」という気持ちが、あなたの人生を豊かにする。
今、誰かと競争をしている人は、していない人と比べて、、、、、
仕事への満足度も、幸福度も高かったのです。
これらの事に納得できるようなデータや研究結果が集められています。心理的な解釈に頼っていた分野を定量的なデータで、示されると納得がいきます。
日本における競争環境の変遷と現状も述べられています。
良かれと思って進めてきた競争原理の排除が、想定していなかった皮肉的な副作用を生んでいるのです。
「競争」から「協調」へ。「個」ではなく「みんな」で。「飛び出る」より「合わせる」。優しく、温かい考えだが、本当にそれだけでよかったのだろうか。
各々が居心地の良い状態を作るために都合よく解釈して見境の無い同調社会になってしまっている側面があると感じました。(過去には過度な競争至上主義があったのは間違いありませんが)
最も印象的だったのは「競争と協調は対局に位置しない」という考えでした。
競争の中にも協調(と似ている事)があるのですね。
アニメの映画版では、主人公と悪役が共に戦って敵を倒す時がありますがあんな感じでしょうか。
競争が無い事は本当にラクなのか??
冒頭、ライバルについての話をし始める前に、競争をしたくない若者が増えている事について、こう述べられています。
「負ける」のが怖い気持ちもわかる。でも、じつは「勝ちたくない」のだ。
それは、自分が勝つことで、相手に嫌な思いをさせたくないから。だから、人前で褒められることも嫌う。優劣をつけられ、客観的に「勝ち負け」が決まってしまう状況が、とにかく嫌いなのだ。
そして、こう問いかけてきます。
その競争はなにかもたらしてはくれなかったでしょうか??
果たして、若者は何を求めているのか??問題提起は続きます。
誰とも競うことのない日々が続いて、どれだけ頑張っても、自分の成長を感じられず、いつまでも、今のままの自分が続く。本当にこれで納得できるのでしょうか。
かくいう私もゆとり世代の真っ只中に学生時代を過ごしましたが、少なからず誰かとの競争がありました。始めてライバルの出現は、中学時代でサッカー部で同じポジションを巡って争いました。
競争する気持ちはおのずと湧いてくる
金間氏は競争する気持ちは自然に湧き上がってくると言います。
職場の同期が仕事で結果を出す。先輩が自分よりも良い仕事をする。後輩に、仕事の結果で抜かれるといったように、社会に出たら能力の優劣を感じる事が一気に増えるからです。
たとえ競争させられる環境ではなかったとしても、そこには「悔しい」「負けたくない」という競争意識が、おのずと芽生えてくるものだ。
競争することでしか得られないものもある
これには共感します。勝つことでも負ける事でも多くの学びがありました。
ここにライバルが人生を豊かにする可能性があると感じます。
しかし、勝つことばかり(結果)に意識が集中していると、それは見えなくなってしまいます。
ライバルの種類
金間氏が考えるライバルの種類についてです。この本の核となる部分です。
「敵」としてのライバル
この人には負けたくない。絶対に勝ちたい。そんな風に思うがあまり、必要以上に勝つことを意識してしまい、周りが見えなくなってしまう。そして、ライバルと比べることばかり考えてしまい、どんどん自信を失ってしまう。そんな過度な他社比較は、ときに精神的苦痛を伴う。
「ヒーロー」としてのライバル
この人には負けたくない。絶対に勝ちたい。そんな風にライバルに勝つことを目標としつつも、お互いの存在を認め合い、より高みへ向かうことに対して協力を惜しまない。
あなたにとってのライバルとは、どちらのイメージに近いでしょうか?
こんな捉え方もあるのだと考えさせられました。
競争の先には敗北しかないのか
競争には必ず結果があります。敗北があります。しかしながら、次の競争に勝つための学びが必ずあります。競争の先には成長があります。
ライバルは敵だと思ってしまう時は、敗北をその瞬間でしか捉えられていないのだと思います。自分で解釈を狭めてしまっていて非常にもったいないと思いました。
その勝負が一度きりしかなく逆転がないのであれば話は別です。ですが、もし逆転がない世界で戦っているのであれば、その世界はつまらないと思うし自分には合っていないと思いました。次は勝てるチャンスがあるからこそやる気になります。やる前から勝負が決まっている試合はつまらないです。
仮に負けたとしても全力で戦った結果なら、次の糧になるはずです。
スポーツの世界でも敗者であっても清々しい気持ちにさせてくれる選手がいます。
競争をするか自分で選ぶ
人は誰もがなんらかの可能性を秘めています。
ライバルはその可能性を見つけるきっかけを与えてくれます。こうして見つけたものは、あなただけの宝物であることを示しています。
企業に所属して仕事をする事における話ですが、年功序列、終身雇用制はなくなり、多様性も、流行りであった事が、暴かれていくと思います。
思い出すのは、目標は達成のためではなく成長のためにある、という言葉です。
高い目標を掲げると達成は難しいですが、そのために努力する事で成長をもたらしてくれます。達成しても低い目標であれば、成長は見込めないからです。
先述しましたが、始めてライバルが現れたのは中学校の時でした。サッカー部で同じポジションを争って競い合って結局レギュラーにはなれませんでした。ですが、あの時の悔しさが所々でその後の自分を踏ん張らせてくれていたのだと思います。(悔しくて悔しくてたまらなくて、毎晩ゆずの栄光の架橋を聞いて寝ていました笑)
挫折が早かったおかげで、その後に挫折しても立ち直れるようになりました。これもライバルがいて競争したおかげで身についたものだと今では思います。からかわれた際には、「今に見てろよ!」と言い放った時もありました。(結局レギュラーにはなれませんでしたが、高校でライバルだった部員よりも大会で高い成績を残す事ができました)
個人的には、やはり競争でしか得られない事があるし、これを濁したまま社会に出ると非常に苦労すると思います。個を重んじる風潮にも流行り廃りがあり、何事も流行りに流されずに揺らがないでいたいものです。トランプ大統領がDEIを廃止すると言ったら、一気に廃止に向かう企業も増えるでしょうし。
協調性1つのベクトルによる社会運営は限界があり、ピラミッド型の企業経営においては椅子取りゲームであることは変わりありません。
この本を読んで、次は妬みや嫉みといった自分の中のダークサイドとの向き合い方を知りたくなりました。
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