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数値化の鬼。いったん数字で考えろ。

最近指摘されているのは、数字で考える力です。
私自身、数字に強いかと言われるとそうとは言い切れません。

そこでこの本を読みました。

メッセージとゴール

この本のメッセージは、いったん数字で考えろ、です。

いったん数字で考えるというクセをつけることをゴールとしています。
目標は「仕事ができる人」になること、です。

著書の安藤さんは株式会社識学の代表を務められていて、

識学という意識構造学を通して、多くの組織問題を解決してきた方です。

識学とは組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どうすれば解決できるか、その方法を明らかにする学問です。

 

識学を導入した企業からは、急成長するプレーヤーが多く出てきます。
彼らの共通点は、「数字と向き合う回数が増える」という事です。

 

冒頭にこのような事が書かれています。

いかなるときも、「感情」を脇に置き、「数字」で考えられること。
それがまさに、「客観的に自分を見る」ということです。

数字はとことん客観的にしてくれます。数字をありのまま直視する。数字を見て安心する自分がいれば自分に抗う。

自分を数字でマネジメントできない人が、部下やチームをマネジメントできるとは、到底、思えない。

これにはグサッと来ました。数字に強くなれない限り、昇格はできないという事です。

 

プレーヤーやマネージャーといった立場は違えど「仕事ができる人」に共通して言えるのが、「数字の大切さを知っている」という事です。数字が嫌いな人にも数字はずっとついて回ります。そして、数字に向き合わずに成長できる人は、誰一人としていません。

 

本書のタイトルでもある「数値化の鬼」とは「心を鬼にして数字と向き合う」という考え方を表しています。数字を計測したその瞬間の自分と向き合うために、課題を見つけ、道具として使い倒すために「心をいったん鬼にする」のが大切です。目を逸らさないことには始まりません。

 

自分の目標達成のために動くようになる。心を鬼にするようになる。すると会話の中に数字が出てくるようになる。

 

数字を見ることが嫌いなのは、ダイエットをしようとしている人が体重計に乗って現実を見ることを怖がっているのと同じという例えには納得しました。数字として表せるものは、さっさと受け入れて客観的に分析するしかないのです。

こうやって改善していって、上手くいくと途端に数字が好きになり、数字に向き合うのが楽しくなります。この好循環をいち早く起こすのがプレーヤー期間に求められます。

 

一流のアスリートは数字を追った結果、振り返ると個性が滲み出ている。自分から「こう見られたい」という自分らしさを出しているわけではなく、数字のあとに自分らしさが出てきています。

 

学校や会社での評価は、別に「人間としての点数」や「人としての価値」を表しているわけではありません。仕事上の「機能」として切り分けて考えないといけない。

 

数字がすべてではないが順番がおかしい

もちろん数字が全てではありませんが、順番がおかしいと安藤さんは仰っています。

「数字が全てではない」という言葉を、「数字は無視していい」と、都合よく解釈してしまっているのです。

数字を追い求めた先に、数字が全てではない世界があるのであって、数字の結果を出していないのであれば、その世界にはいけないのです。

入社1年目の新人は、まだ何も成果を出しておらず、業界研究にだけ長けている状態です。「自分だったらこういう経営をする」「新しい組織づくりをする」ということをお客さん感覚で言っているだけ。

働き始めると数字が無視できないことに気づかされます。ならば、「先に数字に向き合ってしまえば、もっと早く成長できるんじゃないか」と考えるべきです。

営業職をしていますが、目標としているのは数字です。最終的には数字で評価されるので、数字以外のことは最後の最後に評価の対象となります。言葉による言い逃れがクセになってしまったプレーヤーは、そこで成長が止まると述べられています。

 

どんなに一生懸命頑張っていても生産性が落ちているのであれば、それを受け入れる。
言葉でいうと「素直さ」です。

 

1日を数字で振り返ってみる

1日ごとの数値化を「自分のため」にやる。自分がどれだけやったのかを嘘偽りなく表すこと。まさに、心を鬼にできるかどうかが試されています。

自分の行いをざっくりとでも数値化して、自分の行いを客観的にするクセがあるかないかの差は大きく、1日にできる自分の限界を正しく認識することが大切だと述べられています。自分の現在地を知るということですね。

 

「気合を出したらできる」「徹夜したらできる」「土日に持ち越したらできる」そういう錯覚は自分への厳しい見積もりができると消えてなくなります。

できないことに向き合う素直さ

数値化できるようになると、失敗を認められるようになるのだと言います。失敗しなくなるのではなく、失敗を認められるようになる。自分の不足を受け入れるのが大切になります。

 

 

「仕事ができる人」になる5つのステップ

ステップ1:「行動量」を増やす
→自分の行動の数を正確に数える事

ステップ2:「確率」のワナに気をつける
→割り算による安心感のワナに気をつけること

ステップ3:「変数」を見つける
→仕事の中で何に集中するのかを考えること

ステップ4:「真の変数」に絞る
→ムダな変数を削り、さらに重要な変数に絞り込むこと

ステップ5:「長い期間」から逆算する
→短期的と長期的、2つの軸で物事を見ること

※組織での役割によってウエイトが変わる。後半にいくにつれて、役職がより上のポジションの人にとって重要な概念になる。

 

仕事ができる人とは、評価者からの評価を得られる人です。
より詳しく言うと、上司と部下の間で認識のズレのない評価を得られる人です。

 

仕事ができる人の順番

・「数字の成果」→「自分らしさ」
・「数字の根拠」→「言葉の熱量」
・「まずやってみる」→「理由に納得する」
・「チームの利益」→「個人の利益」
・「行動量を増やす」→「確率を上げる」
・「長期的に考える」→「逆算して短期的に考える」

※できない人は順番を入れ替えてしまいます。

 

業務内容を自分で改善して、初めて人は成長する。

目的地さえ決めてしまえば、そこまでの生き方は自由。

 

意味は遅れて理解できる

現代人は意味を求め過ぎていて、意味を教えずに行動を促すことが避けられている風潮が感じられているようです。ただ、自分の考えと違っても、言われたことを全てやれ、ということではなくて、疑問に思うことを確かめている人より、与えられたことを素直にやる人の方が上達しています。まず、体に覚えさせて、成長した後に疑ってみる。素直にやってみて、やりながらうまくいかない理由を考える。

 

変数を見つける

何が変数なのか、どこに変数が隠れているのかを試行錯誤して見つける事が目標とする数字の達成プロセスに重要です。どこを頑張れば良いのかに焦点を当てるのです。工程を分けて数字を数えて、なぜ?を繰り返します。その後に取り組んだ事が変数だったのかどうか振り返る事。これによってKPIとして重要な数字が見つかっていくのだと言います。

 

やったことに勝手に意味づけをするのではなく、明らかに結果や成果に繋がった事を見つけ出していきます。

 

成長が止まる人

他者評価を受け入れなかったり、自己評価が高すぎる人、失敗を認めない人は、成長が止まります。上手く言ったら攻める、失敗したら考える。上司からの評価を受け入れて改善すること。あいつよりマシだと他社と比べて安心することも危険です。

 

おわりに

「数値化の鬼」の本質が浸透しPDCAフレームワークが頭に叩き込まれると、自分の目の前の仕事に圧倒的に集中出来るようになる、と書かれていてここまで出来たら楽しいだろうなと思います。

 

ほかにも

・他人の成功論はすべて「変数」ではなく「仮説」
・「もっといい変数はないか」という視点
・「数値化」とは技術
・自分の仕事を数値化することは、現実をそのまま見るということ。
・数字は不足を見るためのもの。課題を見つけるための手段。
・感情に訴えかける言葉でしか話せないと、必ず失敗を繰り返すようになる。
・「感情」を絡める事が問題なのであって、数字そのものがプレッシャーを与えるわけではない。
・数字はつねに未来に目を向けるためにある
・なんとなく上手く言ってきた人ほど、〇〇力という言葉を使って逃げる
・自分でやって自分で解決するから、勝手にモチベーションが上がる
とたくさん印象に残るフレーズがあり、もっと掘り下げて考えたいです。

この本を読んで数字に対するネガティブさを取り除く事ができ、成果を出す人になるべく、苦手とする数値化に向き合っていきます。自分で生き抜く力をつけると決めたので、数字で組織に貢献する。ここで貢献する事から目を背けずに上司が評価せざるを得ない結果を出すこと。

自分の仕事の「変数」を見つけて、さらに過去の「変数」を疑い新しく仮説を立てる、この繰り返しが個人の成長を生みます。これ以上の近道はありません。

仕事ができる人になり、プレーヤー人生を乗り切りたいです。

 

 

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