転職して5ヶ月目になりました。初めての企画が承認を得られません。
読書で考え方を学ぶ事にしました。
本書で企画力とは「人間と組織を動かす力」と述べられていました。
なぜかというと著書の田坂さんがバテル記念研究所(米国の世界最大の技術系シンクタンク)にいた際に、不採用になた企画に対してディレクターが放った言葉が、「紙くず(ガベッジ/garbage)」という一言だった事からそう考えるようになったそうです。
採用されない企画書は紙くずに過ぎないという事がその時刻み込まれたそうです。
それは、他人の持っていないユニークなアイデアと、それを魅力的にまとめた企画書だけで勝負をしている米国のシンクタンカーの覚悟でした。その世界で、プロフェッショナルが持っていなければならない厳しい覚悟でした。
そのときのディレクターの穏やかな表情が、かえって、そのプロフェッショナルの世界の厳しさを、私に教えてくれました。
当時の自分のナイーブさに、恥ずかしさを感じます。当時の自分は、「たとえ採用されなくとも、良い企画書は、良い企画書だ」と思っていたからです。その自分が、「採用されない企画書は、紙くずにすぎない」という覚悟を教えられた。その覚悟が、それからの私の修業において、大切な支えとなりました。
もし一人のプロフェッショナルとして本当に企画力を磨いていきたいと思うなら、覚悟を持たなければならないとも言っています。
企画とは、実行されて初めて企画と呼ぶ
まず定義が違っていました。
◯企画力:企画を実現する力
✗企画力:企画を立案する力
プロフェッショナルからすると、政策、戦略、アイデア、コンセプト、未来のビジョンを描くことだけで企画をしていると考えること、これ自体が誤解でこの事だけでは企画とは呼べないそうです。
実に見事な企画書を作りますが、実行するための戦術や行動レベルのアドバイスを求められるとクライアントには具体的なアドバイスができないそうなんです。(理論先行型コンサルタント)
欧米の最先端の経営理論や企業動向についての知識はあっても、経営の現場でしか身に着けられない知恵は乏しいコンサルタントもいるそうです。(知識偏向型コンサルタント)
永い実務経験を積んで、知恵を使ってクライアントにアドバイスできるコンサルタントを実務経験型コンサルタントや現場実践型コンサルタントと称されていましたが、見分ける事は難しくなく、何が違うか、どう見分けるのかというと、実務経験が乏しいコンサルタントは言葉が軽いそうです。
語る言葉に深みや奥行きが無く言葉の余韻が軽いそうです。
体験が乏しく体で掴み取った知恵に乏しく、体験や知恵に裏打ちされない軽い言葉で語るそうなんです。
企画を立案する力は持っているが、企画を実現する力に欠けた人材のひとつの例として挙げられていましたが、自分としては耳が痛い話でした。
言葉の軽さの裏には実務経験の乏しさがある
田坂さんは企画力と実行力を分けてしまう事が問題としていました。
社外のコンサルタントに立案させた企画を、社内の部門に実行させようとする、もしくは社内のスタッフ部門に立案させた企画を、現場のライン部門に実行させようとする、こうした分業は無意識の無責任さを生んで、個々に企画力は優れているが実行力が無いコンサルタントが増えてしまうそうです。
企画力とは、人間と組織を動かす力の事
企画とは、実行されて初めて、企画と呼ぶ
では、どうすればプロフェッショナルとしての企画力を磨いていけるのでしょうか。
物語を語ること、と述べられていました。
プロフェッショナルは、何によって、人間や組織を動かすのか。
端的に申しましょう。「物語」を語ることによってです。これから企業や市場や社会で、何が起こるのか。そのとき、我々に、いかなる好機が訪れるのか。では、その好機を前に、我々は何を為すべきか。その結果、我々は、いかなる成果を得られるか。その「物語」を魅力的に語ることによってです。
そして、この物語を語るのが企画書なんです。
物語が魅力的に語られたものが企画書
企画書においては企みを語れとも記されていました。
夢と現実のバランスの間で、どちらにも偏らない、絶妙のバランス感覚を身に着けろとも述べられています。ただ現実を受け入れているのは面白くないんですね。
これだけでも、企画への意識が変わりましたが、この他にも自分が本書で、唸った箇所をピックアップさせてもらいます。
人間が面白くないと企みを面白く語れない
何を行うかよりも、なぜ行うかを語れ
企画書で最も大切なのは表紙
読みやすい企画書は自問自答スタイル
攻めだけでなく守りも固めろ(想定質問)
企画は人間を売り込む事
安易な考えで企画を持ち込んだ自分に耳が痛い箇所もありました。
なぜなら、世の中には、誰もが簡単に、優れた「企画書」を書ける手引きやマニュアルなど、存在しないからです。そして、そもそも、そうした手引きやマニュアルを求める「安易な精神」こそが、プロフェッショナルが腕を磨いていくときの「最大の落し穴」になってしまうからです。
社内では過去の事例を探しましたし、検索でフォーマットを探そうと思いました。(なんか違うなと思い留まりましたが)最短最速で成果を出そうとして、無用な仕事のための仕事を省けるのであればそれで良いと考えたからでした。
そもそも知識として学んで得られるという事から違いまして、プロフェッショナルの技術とは本来言葉で言い表せない技術であり、体験や修練を通じてしか掴めない、体で体得する知恵であるため実践でしか学べないものなのです。
しかしながら、辛辣な言葉の中にも前向きになれる言葉がありました。
没にした企画の数が、企画の凄み
安易に通る企画には価値がないとポジティブに捉えていきたいです。
2回オリエンしたものがチャンスがあるということは、有効性をわかってくれているからではないかと思えるようになりました。
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